運動感覚を持って
自然界にあるものを見た時に、力がどう作用して、どう支えられているか、その力の流れがみえる、感触としてつかめるということが大事だ。

 昔の子供は、木によじ登っておっこちたり、これなら折れないと判断して枝の先に座ったり、そういう色々な体験をしている。跳び箱も跳んだし、物を飛ばしたり、塀を乗り越えたり、さまざまな運動もしていた。

 これらの経験から、住宅の軸組でも、こうしたら折れないと か、この太さならどうかということが、研ぎ澄まされてくる。 しかし今は、非常に狭い範囲の体の動かし方、接触になっていて、体で体験的に覚えることが少なくなっているようだ。その分は自覚的に研かなければいけないものになっている。

設計者には総含的な力が要求される。デザインや、構造、工法にも詳しくなければいけないが、本当に施主の要望を理解し、自分も納得して魂が入らなければ、建物が生きてこないように思う。


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