そういう意味でも、職人として自分の仕事に誇りをもっている人とはなるべく付き合う様に心掛けている。
職人はサラリーマンと違って、自分の価値を決めることができる。腕が研かれれば、それだけ高く売れる。それを知っている人達は、いつも今より上を目指している。彼らに、今まで経験したことのないような空間を出すと、彼らも燃えてくる。「たいへんだ、たいへんだ、こんなこと二度とやらねえ。」、などと言いながら、きちんと仕事をしてくれる。
ある時は、「これじゃできないよ、こうさせてくれ、こうしたらもっとよくなるよ。」、というような話が職人の方から出てくる。そうして不可能と見えたものが可能になっていく。
いい職人は、決して言葉は上手ではないが、核心に触れたことが指摘できる存在だ。
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